自然災害の多い台湾では、被害を受ける可能性のある災害が3種類以上ある地域の人口の割合が世界で最も高い、73%に至っており、2種類以上では90%に至ると、2005年に世界銀行により示されています。
自然災害は人の安全だけではなく、経済への影響も大きいことが知られています。2014年にイギリスのVerisk Maplecroftにより、台湾は「極端に弱い」経済体の一つであると評価されました。台風、土石流、地震などの自然災害に遭いやすく、経済の脆さは日本、アメリカに次ぐ世界3位です。
世界中で都市化が加速しています。台湾でも、都市計画地域は狭いにもかかわらず、8割の人口が都市に集中するため、住宅価格の上昇、交通混雑、汚染の拡大などにより、環境収容力の上限に迫っていることが行政院主計所の統計結果で明らかになっています。
道路状況のような流動性データを利用し、Big Data分析を行うことで、スマート交通管理の提案に役立てることができます。例えば、リスクを下げるため、物流企業にリアルタイムの情報を提供し、最適なルートを計算し、被災地域を避けさせるようにします。乗客数が高い公共交通システムは自然災害に影響されたり、サービスを中断されたりしないように、スマート交通でサービスの質を向上することが将来のトレンドになります。
再生エネルギー及び多様なエネルギーを発展させることは世界的なトレンドになっています。総電力供給量の約12%を占める原子力エネルギーを代替しながら、火力発電の割合を下げるため、我が国は再生エネルギーの割合を2025年に20%にすることを目指しています。どうすればこの目標を達成することができるでしょうか。
同じく天然資源に乏しい日本は、近年再生エネルギー(風力、太陽光、小水力、バイオマスエネルギー)分野で速い成長を続けています。日本の経験を活かして、台湾でもGISを活用し、各地域発電のポテンシャルを分析し、最適な選択を可能にします。例えば太陽光発電は住宅の屋根でも、民間発電所でも、GISを利用し、太陽光のエネルギー量、建物データを用いて太陽光発電の発電効率を向上することを目標とします。
2018年に、高齢化社会となった台湾は、8年以内に65歳以上の人口が20%を超えると見込まれています。労働力不足で、作業リスクの高い建設現場は、監測システム、IoT技術を通じて、スマート建設現場に転換することができます。
どうすれば建設プロセスをスマート化できるでしょうか。まず、自動制御、屋内測位、BIM、サプライチェーン管理を導入し、技術と生産工事を一体化させます。また、ロボット及び監測システムを現場に入れるため、ICT化調査を行い、現場における安全性を向上させ、作業のリスクを減らします。
世界の降水量調査によると、台湾は第2位の多降雨国でありながら、水不足の国ランキングでも第18位になっています。年間の平均降水量は世界の平均値の3倍に当たる2500ミリであり、水資源が豊かなように見えますが、7割の雨がすぐに海に流れ、実際に利用できる量は降水量の4分の1にすぎません。
世界の大都市ランキングトップ500のうち、4分の1の都市は水不足問題に直面しています。リアルタイム性、効率性、広域性、革新性の4つのスマート管理の目標を達成するため、現在水利署の推進している水資源IoT計画により、流域界データ収集量を増やし、情報を展開する速度を上げられると期待できます。